• シンポジウム「未来の動物園」、盛会となりました。

    2016年が始まり約10日がたった1月11日、100周年事業の締めくくりとなるシンポジウム「未来の動物園」が開かれました。

    さまざまなイベントで100周年をお祝いしてきたこの1年。
    けれどこれらを単なるお祝いとして終わらせるのではなく、これから先の動物園をどうしていったらよいのかを市民のみなさんと一緒に考えるために企画されました。

    20160111_シンポジウム

    当日、会場には約90人の方が集まりました。このうち8割以上が和歌山市にお住まいの方だというのですから、お城の動物園が市民のみなさんにどれだけ愛されているかがよくわかります。

    基調講演では近畿大学教授で天王寺動物園名誉園長の宮下実さんが、「動物園の果たす役割」について丁寧にお話くださいました。
    獣医師として天王寺動物園で35年以上お仕事をされ、動物園の役割を来園者に伝えてこられた宮下さんの言葉はとても重みがありました。

    天王寺動物園名誉園長・宮下実さん

    第1部の後半では、お城の動物園こと和歌山公園動物園を管理する和歌山城整備課の柳さんから、和歌山公園動物園の歴史や現状、100周年事業について伺いました。いろいろ具体的な数字や史跡・和歌山城の中にあることで大きな改修が難しいという課題など、運営面のことを知る機会となった来場者も多かったのではないかと思います。

    動物教材研究所pocket・松本朱実さん

    第2部では動物園と市民との関わりをテーマに、動物教材研究所pocketの松本朱実さんと私たちの代表・川島寛子が、動物園での環境教育についてお話させていただきました。松本さんの「動物園の動物たちは野生からの大使。私たちには動物たちからのメッセージをしっかり受け取る責任がある」という言葉にはあらためて身の引き締まる思いでした。

    和歌山大学観光学部教授・加藤久美さん

    観光学部学生

    第2部後半は和歌山大学観光学部教授・加藤久美さんから観光と動物についてお話いただきました。お城の動物園は「動物園」であると同時に「(和歌山城を含めた)観光地」でもあるんですよね。加藤先生は動物が登場するさまざまな形の観光の紹介をされたあと、「持続可能な観光を追求していく必要がある」とお話されました。また観光学部の学生からは、観光活用の視点から新しい動物園の提案もありました。

    今回のシンポジウムのメインとなる第3部では、参加者の方にも積極的に参加してもらおうとフリップ&パネルディスカッションという方式が使われました。
    参加者の手元には白紙や色画用紙が事前に配られ、いろんな質問に対する自分の意見を書いたり、YES/NOを表明したりします。

    会場のみなさんにした質問は全部で3つ。
    ・動物園のイメージは?
    ・動物園は必要?
    ・お城の動物園はどんな未来を目指す?

    どれも難しい質問です。
    それでも参加者の方は自分の思いを素直に伝えてくださいました。

    ディスカッション01

    意見交換する様子

    お城の動物園の整備計画が発表・着手され100年。
    市民にとってはお城に動物園があることが当たり前。
    そのくらい私たちの日常となっている動物園の未来は、私たち市民が創るものだと思います。
    次の50年、100年も市民に愛される動物園がお城の中にあることを願ってやみません。

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